臨床補体 IN 岡山 | ||||||||||
機能性食品による発癌抑制と抗腫瘍活性 | ||||||||||
金沢大学癌研究所免疫生物部 坂井俊之助 松井泰子 | ||||||||||
目的 |
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本来薬品は植物、動物の成体成分から発見されたものが多く、またその薬理作用も多種類に及んでいる。本研究ではブラジル産ノウゼンカズラ科、紫イペの樹皮成分にマウスウイルス乳癌発癌抑制作用を持ち、ヒト及びマウス由来の各種の培養腫瘍細胞株傷害活性を有する成分が含まれることを見い出したので、報告する。 |
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方法 |
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a) :成体レベルでの実験
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b) :培養細胞レベルでの実験
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結果 |
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a) :イペ濃縮粉末によるウイルス性自然乳癌発生抑制と発癌個体の延命効果
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結論 |
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南米一帯に自生するノウゼンカズラ科の紫イペは樹高30メートルにもなる巨木で、その樹皮成分に種々の疾患に対する治療効果が存在すると伝承されてきた。また健康食品として樹皮粉末が市販されている。しかし一部に培養腫瘍細胞に傷害活性があるとの報告はあるが、詳細な科学的研究はほとんどなかった。 |
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本論文で紹介したウイルス性自然発生乳癌を抑制する作用は最初の報告である。ウイルス感染細胞の腫瘍化を抑制するのか、あるいは腫瘍化した細胞を傷害するのか、あるいは免疫系の活性化によってごく初期に腫瘍化した乳癌細胞を傷害するのかは現時点では何とも言えない。すでに発癌した個体に対しても延命効果がある事は直接腫瘍細胞を傷害する点が大きいのかもしれない。だが、発癌個体の延命は認められるもののやがては腫瘍化するものに対しては、直接作用と免疫系の両方が関与していると考えられる。 | ||||||||||
今後さらに分子生物学的手法によってイペにより生じる細胞内の分子変化を研究する必要がある。他の自然発癌ウイルスによる発癌に対しては、肝癌をC3H/Heを用いて実験中である。また、免疫系とイペの作用の関連を知るためには、炎症反応と免疫反応に深いかかわりを持つ実験的形質細胞腫発生などが有効なモデル系と考えられ、これも現在実験中である。 | ||||||||||
なお、イペの木全体を考えた場合、植物として出発点としている葉の生合成なども見逃せず、現時点では限られてはいるが、有効成分の同定とともに最も有効な成分の存在する全体の構成部分の同定も、興味のある点である。本研究では時間の都合上、免疫系、補体系へのデーターを割愛したが、機会を改めて発表準備中である。 |
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Cancer News Jounal.Spring,1982 26-27.Daud'Arco(Tabebuia avellanedae) Shunnnosuke Natsuume Sakai, The suppression of tumor development and antitumor cell activity by the balk of Tabebuia avellanedae in South America. The abstract Japanese of 17th Inflammation Tokyo 1996. The proceeding of the Japanese Cancer association.55th annual Meeting 1996. The first Meeting of the induction of specific immunity against cancer tumor cell,Tokyo 1997. |
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